年越しブタまん。

皆さまご存知のように師走とは「師匠である僧侶が、お経をあげるために東西を馳せる月」という語源が有力のようです。今年も何の進歩がないまま師走を迎えてしまった自分に反省と諦めを感じている今日この頃です。

小生は年の瀬の商店街の雑踏やにぎわいが小さい頃から無性に好きでした。威勢がよい店の兄ちゃんの口上、忙しそうに動き回る商店主、少しでも安くてよい物を買おうとする主婦、そこに付き添う寒そうでつまらなそうな表情の子供。なぜか救急車のサイレンが遠くから聞こえる。そして犬小屋の鎖につながれた飼い犬の遠吠え・・・・。
空瓶を持って近所の食料品店に醤油のお使いに走らされた子供の頃の記憶と相まって懐かしく愛着と郷愁さえ感じます。商店街には今の大規模商業施設では味わえない温もりや物語があったように感じます。「一杯のかけ蕎麦」の美談もこんな小さな商店街で生まれたのでは?と一人相槌を打ってしまいます。

さて、本題にしましょう。寒さが身に染みるこの季節に欠かせないのは、熱々の鍋物と江戸清のブタまん。1個250gの巨大なブタまんを蒸し器でじっくり蒸し上げてハフハフ言いながらかぶりつく。国産豚肉と海老、蟹、野菜で練り上げた餡から流れ出るジューシーな肉汁。しっとりフワッとした口どけのよい生地。餡と生地が織り成すハーモニーと心地よい余韻。今年の大晦日は「年越しブタまん」にしよう。