登山

久しぶり(20数年ぶり?)に夏山登山に行ってきた。汗を流して一歩一歩登り詰めた人しか味わえない達成感。ご褒美には雄大な景色と都心では味わえない満天の星と秘境の湯。雷鳥にもお出迎えいただき、すばらしい時間を過ごしてきた。山というのは不思議なもので、自分との闘い・鍛錬の一種のように思えてならない。
特に普段から不摂生の権化である筆者にとっては厳しく辛いでも心地よい修行となった。人の力が遠く及ばない尊大な自然に対する畏敬の念が山岳信仰につながっていったのであろうか。弱音を吐いて歩を止めれば決して頂には辿り着けない。
登山というものは、日々の積み重ねが必ず実を結ぶ、“千里の道も一歩から”“大海の水も一滴から”の教科書でもある。また、登山者には山に持ち込んだゴミは必ず持ち帰らなければならないという憲法がある。使い捨てのマスクや煙草の吸い殻を路上で見かけることがないよう、そのような輩には登山を通じて美化意識を高めて欲しいと真剣に思っている。

日本の近代登山の父として有名なイギリス人宣教師ウォルター・ウエストン。
1986年日本での登山紀行を「日本アルプス 登山と探検」という著書にして世界にその素晴らしさを広めた。上高地にはその功績を称えて記念碑が置かれ毎年6月にウエストン祭が催されている。今回筆者が最後に宿泊した秘境の露天風呂でも有名な白馬岳蓮華温泉ロッジにW・ウエストンが明治27年白馬連峰縦走のため逗留したという記述とセピア色の写真が飾られていた。128年前、江戸清が横浜外国人居留地で創業した年でもあり驚いた