ウグイスの声

筆者の拙宅は磯子区京急屏風ヶ浦駅近くにある。裏手に鎮座している森浅間神社の山林からだろうか数羽のウグイスが平地の住宅街にやってきては、いろいろな家の枝から枝へコンサート会場を変えながら見事な歌声を披露している。最近頻繁に来てくれる1羽はすばらしい喉の持ち主である。その囀りは、やや低音で艶と深みがあり今まで聞いたことがない音質の持ち主である。きっと近隣の方々も同じような気持ちで、この歌い手の声を楽しんでいるのだろう。
「クッカドゥードゥルドゥー」は、鶏(おんどり)の鳴き声の英語である。コケコッコーとはかなり異なる。果たして「ホーホケキョ」の英語はなんというのか興味がわき調べてみたが、個別の表現はないようだ。ウグイスは世界的に分布しているが東アジアに多く生息いているらしい。英語圏ではメジャーな鳥ではないということなのか。はたまた天敵である猛禽類が多いため里山や住宅街に安易に姿を見せないことにより鳴き声の個別表現まで発展しなかったのか定かでない。
しかし、日本では「春告鳥(ハルツゲドリ)」として春の到来を告げる鳥として季語にもなっているウグイス、しっとりと地味な茶緑色の形容詞にもなっているウグイス、「ウグイス嬢」として美声の形容詞にもなっているウグイス、いずれにせよ日本人にとっては昔から馴染み深い存在であることに間違いない。